【イベントレポート】みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)第4回 ~漆塗り~

【イベントレポート】みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)第4回 ~漆塗り~

前回の第3回では形を決定しましたが、サンプル木地(塗り無し、内側を挽いていただきました)が完成しました!
小椋さん、ありがとうございます。
まずはお披露目と、皆でサンプルチェック。

実際に形になって、いよいよ製品企画も終盤戦に入ってきました。
今回は「塗り」。拭き漆(擦り漆)という技法で塗られる漆器。木の器に、何度も漆を拭くように擦り込んで塗る技法です。

拭き漆で有名な石川県山中の塗師さんにお願いしています。職人さんは来られないので、Pint!中地より、漆塗りの紹介を行ないました。漆って何となく言葉は知ってるけれど、何者かよくわからない、そんな方が多いと思います。

漆は「ジャパン」とも呼ばれるだけあって、日本で古来から用いられたもの。ウルシノキの樹液です。ものすごく強い樹液ですから、人が触れるとかぶれたりするのですが、熱や水に強いのです。いわば最強の天然コーティング剤。古くは縄文時代から用いられていたと言われます。

不思議な力を持つ樹液として使われてきたのでしょう、職人の塗師さんからは、塗師の間で語り継がれたり、伝承されている様々な話があります。こちらでは割愛しますが、そんなお話を皆さんにお伝えしました。
悩むのは色。拭き漆では何度も拭いて色を重ねてゆくのです。

Pint!では顔料を混ぜた色出しはしていないので、生漆、黒漆、赤漆の組合せで色を出します。

以前に塗師さんに特別に依頼して作っていただいたカラーサンプルをもとに、皆で色を考えました。
色によって強度や機能が変わる訳ではないので、個人の好みが反映されて一番心配していた回ではありますが、その心配は無用でした。

実際に食卓でどう使いたいか、何を盛り付けたいか、どんな食器と組み合わせるのかという点を中心に話し合いが進みました。

Pint!で既に販売している汁椀や丼椀の色とあわせてお店で綺麗に展開できるようにというご配慮までいただきましたが、ディスプレイや商品展開の都合を排除した、毎日の暮らしのためのものづくり企画ですので、その点は一切考えないでくださいとお伝えしました。
洋食器や和食器も混在する日本の食卓。

うちの家族ではこんな食卓だから、この器はこういう使い方をしたい、こんな組合せで使いたい、
という意見が皆さんから出て、自然と色が絞られてゆきます。
最終的に決定したのは一番左の茶色。上品で柔らかな雰囲気です。毎日使いたくなるように、重すぎない、軽めの色が選ばれました。

色も決まり、いよいよ仕様が確定。長い道のりでしたが、遂にここまできました。あとは塗師さんにお願いして、納品を待ちます。

この次は納品と、お披露目&持ち寄りパーティーで、実際に器を使います。楽しみな最終回は12月です!


中地